兜造り(かぶとづくり)は、日本の民家における屋根形式の一つである。かつて日本の武士が用いた兜に似ていることから名付けられた。
解説
基本的には寄棟造あるいは入母屋造の屋根のうち、妻側の屋根を切り上げた形式で、東日本各地に分布する。めずらしい例では妻側ではなく平側を切り上げた形式もあり、こちらは「平兜造り(ひらかぶとづくり)、または前兜造り(まえかぶとづくり)[1]」と呼ばれる。屋根を切り上げるのは、上層部分に外光を取り入れ通風を図るためであり、江戸時代中期以降に盛んになった養蚕の便宜を図るためである[2]。
前兜造りは、18世紀中期ごろから明治中期にかけて群馬県吾妻郡、特に中之条町を中心に集中して見受けられる形式で、他の地域で類例を見ない独特の形式である[3]。中之条町大道の富沢家住宅は国の重要文化財に指定されている。
脚注
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- ^ 村田, 敬一『群馬の古建築ー寺社建築・民家・近代化遺産・その他ー』みやま文庫、2002年、101頁。
- ^ 『さがしてみよう日本の形5:民家』改訂2版、2004年、65ページ
- ^ 群馬県文化財研究会 編『上州の重要民家を訪ねる(北毛編)』あさを社、2008年、132-134頁。ISBN 978-4-87024-460-3。
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