陶宗儀
陶 宗儀(とう そうぎ)は、元末から明初にかけての学者・文人。字は九成。主著に『輟耕録』(てっこうろく)などがある。
生涯
陶宗儀の生涯については友人の孫作による伝記がある[1]。
台州黄巌県清陽の人。若いころ科挙試験に合格しなかったため、そのまま官吏にならずに学問に励んだ。松江(正確には松江の東北にある泗涇鎮[2])に隠居して、南村と号した。農耕をしながらその余暇に書いた随筆が『輟耕録』であるという[3]。
陶宗儀の生卒年ははっきりしないが、建文年間のはじめにはまだ生きていたらしい[4]。
主要な著作
- 『輟耕録』 - 随筆。30巻。
- 『書史会要』 - 元までの書家の伝記を集めたもの。9巻。巻8には中国以外のさまざまな文字について述べており、日本の仮名とその発音についても記す。
- 『説郛』 - 漢籍を集めた叢書。100巻。
- 『南村詩集』 - 詩集。4巻。
脚注
- ^ 孫作「陶先生小伝」『滄螺集』 巻四。http://ctext.org/library.pl?if=gb&file=82984&page=116&remap=gb。
- ^ 朱彝尊『明詩綜』 巻十二・陶宗儀。https://archive.org/stream/06056378.cn#page/n2/mode/2up。
- ^ 『輟耕録』の孫作による序による
- ^ 銭謙益『列朝詩集小傳』 甲集・陶南村宗儀。http://ccddb.econ.hc.keio.ac.jp/wiki/%E5%88%97%E6%9C%9D%E8%A9%A9%E9%9B%86%E5%B0%8F%E5%82%B3/%E7%94%B2%E9%9B%86/%E9%99%B6%E5%8D%97%E6%9D%91%E5%AE%97%E5%84%80。
参考文献
- 『明史』巻285・文苑一・陶宗儀